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■多分野で活用できるロボット開発に挑戦
再生可能エネルギーと並んで、新しい事業の柱として強化しているのがロボットです。実は大震災直後から、私はロボットにも着目していました。福島原発事故では、放射能に汚染された現場に作業員が入れませんでした。人間の代わりに原発の作業を担うロボットが不可欠だと確信したのです。復興支援事業である「福島県イノベーション・コースト構想」にも参画し、遠隔操作で瓦礫撤去を行う重機型ロボットなどをすでに実用化しました。
原発の汚染水処理工事用ロボットの「女神」は、わずか半年ほどで開発に成功し、発注元である東京電力様からも「歴史的な快挙」と高く評価していただきました。今後も原発の廃炉が安全にできるように、作業のロボット化を進めていきたいですね。
さらに、福島原発という過酷な環境にも対応できるロボットの技術は、ほかの分野にも応用できると考えています。例えば、火力発電プラントやゴミ処理プラント、化学プラントといった危険な現場で作業するロボットのカスタムメイドにも取り組みたいですね。介護ロボットを運用している大手住宅メーカーとも、ロボットの共同開発を検討しています。

■当社では主にプラント事業、ロボット開発、発電事業という三つの事業に取り組んでいます。
このうちプラント事業は当社の主軸となるものです。これまでの技術を生かし発電所の建設やメンテナンスなどに取り組んでいます。
エネルギー事業では脱炭素、地球温暖化防止に寄与すべく、再生可能エネルギーによる発電に取り組んでいます。現在は4MW規模の太陽光発電施設が稼働中。さらに2022年4月から日本最大級となる出力112MWの木質バイオマス発電所が稼働開始しました。浜通りの住宅電力を補えるほどの大きなエネルギーを生み出します。
ロボット事業では、さまざまな業務の自動化を考えています。震災直後から、福島第一原子力発電所の事態を安定化させる取り組みに力を尽くしてきました。過去に高さ120mの排気筒を、遠隔ロボットで解体する工事を成功させ、今後もさまざまな場所や用途に応じて多種多様なロボットを開発、活用していきます。ここで得られたノウハウをプラント事業やエネルギー事業にも役立てていきたいと考えています。
ただこういった事業展開は当社の目的ではなく、あくまでも手段にすぎません。当社が目指すのは、経営理念にも掲げられている「全従業員の物心両面の幸せを追求すると共に人類・社会への進歩発展に貢献する」ということ。エイブル社員と人々の幸せこそが目的なのですが、それをかなえるために上記三つの事業に取り組んでいます。
（佐藤順英／代表取締役・1991年設立）

当社では、発電所を中心とするプラント建設・メンテナンスの設計から施工までを一貫して行います。高い信頼性が求められる設備では、入念な準備を行い、スケジューリングから作業計画、工程・予算の管理まで多くの社員と協力しながら仕事を進めます。また、お客様にもっともっと喜んでいただけるよう、常により安全・効率的な工事を考え、これまで培った技術を基に、福島第一原子力発電所の安定化、再生可能エネルギー、災害対応ロボット開発など幅広い分野取組み、福島から日本、そして世界を元気にするべく日々挑戦を重ねています。
プラントの安心・安全な稼働をサポートするためには、高度な技術力が必要です。特に高い信頼性が要求される原子力発電所において、「炉内の点検」「制御棒の点検」「非常用発電機の点検」などの重要部位を担当し技術を磨いてきました。さらに、配管を切断する配管加工機や、タービンオイルフラッシングシステムなど、独創性の高い特許を50件以上取得し、現場で「より効率のよい方法」「より安全な方法」を真剣に考えてきた結果、生まれたものです。こうした工程短縮、機器の使いやすさ向上などの「提案工事」が出来ることも当社の最大の強みです。技術をさらに進化させ、福島からエイブルのパワーを発信していきます。